企業や団体などに専属で勤めて、役員などを送迎する役員運転手という仕事があります。役員運転手は自動車の運転を行い対象者を目的地まで送迎するため運転スキルが求められます。自動車の運転スキルを証明するには第一種免許が必要です。
一般的にタクシーを運転するときには第二種免許という資格を取得しないといけません。
役員運転手は第二種免許を取得する必要があるのか、他にあったほうが良い資格・条件などを把握しておきましょう。
役員運転手になるのに二種免許は必要?
一般的に運転業務をアウトソーシングするときには役員運転手とハイヤーが利用できます。役員運転手とハイヤーは、どちらも契約企業や団体の役員などを送迎する仕事を行います。
ハイヤーはタクシードライバーに該当する仕事のため第二種免許が必要ですが、役員運転手の場合は第二種免許を所有していない状態でも仕事をすることはできます。
ハイヤーは使用車両の所属がハイヤー会社にあります。そのため車両には緑ナンバーが取り付けられています。緑ナンバーがついた自動車を運転するには第二種免許を持っていないといけません。
役員運転手の場合はクライアント企業の自動車を使用して仕事を行います。使用する車両のナンバーは社用車用(白ナンバー)のため第二種免許がなくても運転をすることができます。
白ナンバーとは自家用の自動車用のナンバーのため用途が業務用ではありません。
第二種免許を取得している役員運転手も一定数いるため、第二種免許を取得していれば役員運転手としての一つのスキルの証明にはなりますが、絶対に必要なものではありません。
あった方がよいスキルや条件
英会話
大手企業では外国人の役員がいたり、海外からのお客様をお迎えする際に役員車を利用したりすることがあります。高度な会話は求められませんが、目的地や簡単な要望の確認ができるくらいの英会話のスキルがあれば、入社や担当先変更の際にアピールできるでしょう。
左ハンドルの運転
あまりスキルと思われていませんが、左ハンドルの車を運転できるというのは、役員車運転手にとって一つのスキルになります。
左ハンドルの役員車はそれほど多くありませんが、運転できる人も少ないため、意外と重宝がられます。会社によっては左ハンドル車の運転手に手当もつけている場合もあります。
大型車の運転
スキルというほど大げさなものではありませんが、役員車のほとんどが3ナンバーの大型車になります。軽やコンパクトカーの運転よりも慎重な運転が求められます。
禁煙
スキルとは異なりますが、せまい車内で一緒になるため、喫煙者の臭いを気にするお客様は非常に多くいらっしゃいます。
役員運転手になるうえで必要な条件とは
役員運転手は大手企業の役員や社長を自動車で送迎する仕事をします。そのため必要最低限のビジネスマナーを身につけておかなければトラブルになってしまう可能性が高くなります。
運転中に役員や社長との会話をするときもあります。何気ない会話でも言葉が砕け過ぎたりする場合は、ビジネスパーソンとして失礼です。役員運転手は常に正しい敬語を使用し、相手の気持ちを尊重しつつ会話ができる能力を身につけないといけません。
役員運転手の仕事を行っていると、雇われている企業以外に所属する人間とのやり取りをするときもあります。例えば、上層部の人間と行動を共にするため、他の企業の役員などとも会話をする可能性があります。
雇われている企業の取引相手に対して、失礼な言葉を使ってしまうとお客様にも迷惑をかけてしまうことで、結果的に雇われている会社の評判を落としてしまい、取引が破談になってしまうことも可能性として考えられます。
そのため、役員運転手として働く場合、正しいビジネスマナーを身につけておくことは必要不可欠です。
資格よりも運転技術とコミュニケーション能力
役員運転手は毎日クライアント企業の社長や役員などの送迎を行う仕事です。毎日接客を行うため、コミュニケーション能力が必要とされます。
役員運転手は事故を起こさないために運転技術も必要ですが、あくまで最低限必要になる技術力です。コミュニケーション能力がない場合、役員や社長とのやり取りなどでトラブルの原因を作ってしまうこともあります。
何気ない言葉で相手を怒らせてしまうと、契約を解除される可能性もあるため注意が必要です。
また、役員のスケジュールなども把握しておくことも大切です。例えばスケジュールが忙しいときには、目的地まで急いで送迎をしないといけません。役員が口に出さなくても、どのような状態なのか察して最適なルートを考え送迎を行えるだけのコミュニケーション能力が役員運転手には求められます。
役員運転手は乗車している役員がちょっと疲れているときは、あえて自動車をゆっくり走らせて休憩させてあげるなどの気配りも必要です。
相手の考えていることを読み取り、適切な対応ができるだけのコミュニケーション能力があれば、必要とされる役員運転手になれる可能性も高くなります。
英会話などの資格はあれば便利ですが、絶対条件ではありません。役員運転手にもっとも求められる能力は、相手の立場になって考え適切な行動ができるコミュニケーション能力だということを覚えておきましょう。
まとめ
役員運転手はタクシーやハイヤーと違い、クライアント企業の自動車を使用して業務を行うため二種免許は必要ありません。また英会話の資格があれば、活躍の場を増やすことはできますが必須ではありません。
役員運転手にとって、もっとも必要な能力はコミュニケーションスキルです。
お客様が何を期待しているのかを的確につかむスキルがあれば取引相手や、雇われている企業の役員とトラブルになる可能性も非常に少なく安全に仕事をできます。