役員運転手は性別に関係のない仕事ですが、運転以外の業務もあり高度な運転技術以外に細やかな気配りやコミュニケーション能力が求められます。そうした能力のある女性であれば、役員運転手に向いているといえます。
そこで今回は、役員運転手が女性であるメリットや、女性の役員運転手が業務上で気を付けるべきこと、性別に関係なく役員運転手に求められるスキルについても解説します。
役員運転手は女性でもなれる
会社によっては、重要なポストに就いている役員や社長は、安全性や時間の効率性などを考慮して専属のドライバーが運転する車で移動することがあります。
役員運転手の業務は、担当する重役がスムーズに移動できるようサポートすることです。これまでは役員運転手といえば、圧倒的に男性が多い職種でしたが女性でも可能性のある職種です。
その理由として、ここでは以下の二点を挙げます。
まず平日は役員の出社から帰宅までが役員運転手の業務時間ですので、深夜までの業務が続くことはほとんどない、会社の休みが決まっているため、タクシーなどと異なり規則正しい生活が送りやすいことです。
重役が週末にゴルフ接待に行くなどの業務がない限りは、会社の休業日は運転業務もありません。
二つ目の理由は、役員が移動する時にしか運転しないのでどんな人が乗客になるか分からないという不安がないことです。
タクシーやバスの場合は見知らぬ乗客から暴言を吐かれたり、暴行されたりする被害に遭う可能性がありますが、特定の重役の専属運転手であればそんな心配はありません。
女性の役員運転手のメリット
役員運転手の業務は重役を乗せて運転することですが、じつはそれだけではありません。移動の車内ではコミュニケーション能力が求められます。そのため、話しかけやすい雰囲気の女性は、役員運転手に向いているというメリットがあります。
たとえば、世間で流行っている飲食店の情報など、その会社の業務には直接関係のない情報を重役から聞かれる場合もありますが、その情報が、重役にとっては良い気分転換につながるかもしれません。
また、役員運転手は重役の行動パターンや嗜好などを把握し、気持ちよく乗車してもらえる工夫を凝らすことも大切です。
車内の温度調整はもちろんですが、指示に応じて車内で流すラジオや音楽、車内で飲むドリンク、新聞や雑誌なども準備しておかねばならないこともあります。会社によっては待機時間中に、取引先に渡す手土産を買ってくるなど、秘書業務のような仕事もあるかもしれません。
このようなきめ細やかな配慮や視野の広さは役員運転手にも求められます。
性別関係なく役員運転手に求められることとは
役員運転手は、時間通りに安全に重役を指定された場所に送迎しなければなりません。そのため、高度な運転技術はもちろんですが、重役がいかに快適に乗り降りできるかを考える気配りも求められます。
たとえば、雨の日には後部座席から降りる重役が濡れないよう、水たまりのない場所に停める、停車したら役員運転手が傘を持って、後部座席を開けるなどの配慮が大切です。
待ち時間には次の移動先までの道順や所要時間などを調べ、余裕を持って移動できるよう、時間配分を考えるのも役員運転手の役目です。
また、役員運転手は、ビジネスマナーも身につけておかねばなりません。車内で重役が携帯で話していた内容や乗車中に知りえた情報を、外部に漏らしてはいけないのは当然です。
また、送迎の際に取引先の方と顔を合わせることもありますが、重役が面会する相手もそれなりの立場の方ですので、身だしなみや言葉遣いには注意が必要です。
重役を乗せていない待機時間であっても、業務中であるという認識を持って行動することが求められます。
女性の役員運転手が気を付けるべきこと
女性の役員運転手にとって、重役に快適に乗車してもらえるよう、身だしなみを整えることはとても大切です。
しかし、身だしなみとはおしゃれをすることではありません。車内は密室ですので、香水をつけたり、香りの強い柔軟剤で洗濯した衣類を着たりすることは基本的には控えます。
口臭や服についた食べ物の臭いなどにも注意が必要です。また取引先の方と会うこともありますので、アクセサリーは目立たないものを選び、濃い化粧やネイルなども避け、マニキュアも自然な色に限定すべきでしょう。
重役を時間通りに安全に送迎するためには、自分の体調管理をきちんとしておかなければなりません。重役の行き先や立ち寄り先に応じて、お手洗いや休憩できる場所を調べておき、待機中にお手洗いを利用するなどの配慮が必要です。
また、役員運転手は必要以上に、自分から重役に話しかけてはいけません。重役から話しかけられたり、相談されたりした場合には的確に返答できるようにしておかなければなりませんが、乗車中は重役の仕事時間ですので、その邪魔をするようなことはあってはいけません。
話し好きな重役であっても、役員運転手としての立場をわきまえることが大切です。
まとめ
役員運転手は性別には関係なく、むしろ女性も活躍できる仕事です。重役に気持ちよく乗り降りしてもらえるよう、さまざまな気配りや配慮が求められますし、車内で重役から話しかけられたり、相談されたりすることもあるため、コミュニケーション能力も必要です。
そのため、役員運転手は、高度な運転技術を持ち、細やかな気遣いのできるひとに向いているといえます。